【レア!文豪裸体写真】作家と温泉(草彅洋平 編)レビュー

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作家達が愛した温泉地を逸話と写真で紹介した本です

今回ご紹介するのは、河出書房新社から2011年1月に出版された、『作家と温泉 お湯から生まれた27の文学』。
ジャンルとしては、「文豪と温泉の知識を深める本」です。

この本は約10年前に出た本ですが、編者の草彅洋平さんは最近では「ブルータスチーフサウナプロデューサー」として、雑誌『BRUTUS』のサウナ特集にも関わりました。
多読濫読で知られる文化系サウナーとして知られ、2021年には『日本サウナ史』という本を出しています。
経歴の流れに揺らぎがありません。

そんな編者がまとめた「作家温泉本」。レア写真満載の、熱を感じる本になっています。

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『作家と温泉 お湯から生まれた27の文学』書籍情報

内容紹介

お風呂でなごむ文豪たちのまったり図版が満載。ホットなエピソードを通して知る、作家たちの裸の真実。

版元ドットコム 『作家と温泉 : お湯から生まれた27の文学』 紹介 より引用

『作家と温泉 お湯から生まれた27の文学』目次

温泉につかるイメージ

夏目漱石と道後温泉(愛媛県・熊本県)
志賀直哉と城崎温泉(兵庫県)
檀一雄と温泉事件簿(静岡県・青森県)
吉川英治と温川温泉(青森県)
川端康成と湯ヶ島温泉(静岡県)
折口信夫と浅間温泉(長野県)
武田百合子と「浅草観音温泉」(東京都)
宮沢賢治と花巻温泉(岩手県)
山口瞳と『温泉へ行こう』(日本全国・石井昂)
坂口安吾と伊東のヌル湯(静岡県)
谷崎潤一郎と有馬温泉(兵庫県)
田中小実昌と寒の地獄(大分県・田中りえ)
穂村季弘と『温泉百話』(日本全国)
横尾忠則と草津温泉(群馬県・横尾忠則)
与謝野晶子・鉄幹と法師温泉(群馬県・大分県)
竹久夢二と温泉の女たち(日本全国)
田宮虎彦と鉛温泉(岩手県)
梶井基次郎と紀州湯埼温泉(和歌山県)
川崎長太郎と入れなかった湯(千葉県)
田山花袋と『温泉めぐり』(日本全国・朝鮮半島・中国)
太宰治と浅虫、四万温泉(青森県・群馬県)
井伏鱒二と下部温泉(山梨県)
小林秀雄と美と温泉(神奈川県・大分県・長野県)
若山牧水と土肥温泉(静岡県)
北原白秋と船小屋温泉(福岡県)
つげ義春と貧しい温泉宿(日本全国)

(その他、温泉コラムなどあり)

ここがいい! 『作家と温泉』おすすめポイント

『作家と温泉 お湯から生まれた27の文学』のおすすめポイントを3つご紹介します。

おすすめポイント1 文豪たちの激レア写真

気持ち良く温泉につかる男性

なにがすごいってこの本、普段みれない文豪の姿が満載です。
びっくりするほどのおっさんヌード…。

子供とお風呂に浸かる檀一雄。泳いでご満悦の志賀直哉。背中を流してもらう坂口安吾に、盲腸の手術痕まで見える太宰治…。

ちなみに盲腸の位置はここ!

盲腸の位置

きわどい!

あと、太宰に関しては「完全横顔」の写真が載っているのもレアです。
太宰は学生時代のノートが残っていて、そこには自画像と思われるいたずら書きもあったりします。

その自画像の横顔と、この本の写真に載っている太宰の横顔、似ているんです。
機会があったらくらべて下さい。

【参考】こちらの本には太宰治のいたずら書きの写真が多数

とにかくこの「作家と温泉」は写真がレア。
そこはポイントとして外せません。

おすすめポイント2 作家の温泉愛が感じられるさまざまな言葉

温泉を楽しむ猿

「ワーケーション」という言葉を知ってますか?
ワーケーションは、観光庁のHP によると、次の意味です。

Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語。テレワーク等を活用し、普段の職場や自宅とは異なる場所で仕事をしつつ、自分の時間も過ごすことです。

そして作家は元祖「ワーケーション可能職業」。実際さまざまな作家が温泉地で作品を書いています。

煮詰まると気分転換して新しい刺激が欲しくなるのが人間のさが
しかも温泉は、健康にもいい!
作家と温泉はかなり相性がいいと言えます。

川端康成はここまで言っています。

私は温泉にひたるのが何よりの楽しみだ。一生温泉場から温泉場へ渡り歩いて暮したいと思っている。それはまたからだの強くない私に長命を保たせることになるかもしれないし。

川端康成『伊豆湯ヶ島』

川端康成の定宿!


そんな、温泉のことを愛する作家たちが、温泉について書いた文章はなかなか濃いです。

坂口安吾はぬるいお湯につかることで「温泉に同化」することを求め、画家ですが横尾忠則は温かいお湯に縄文的な地熱を感じ、温泉につかることが「太古の時代そのものに浸っている」と考えています。

なかなか濃ゆい温泉談義が、この本では楽しめます

おすすめポイント3 結果、温泉に行きたくなったらガイドとして活用

温泉旅行にでかけよう

私がこの本を読み始めた目的は文豪の写真だったんですが…

読んでいると温泉に行きたくなる!

考えてみれば、作家はいろいろ載っているけれどそれがみんな温泉について語っているんだから、頭が温泉寄りになるのは当たり前かもしれないです。

そんな気分になった時には巻末の「登場旅館一覧」。
基本的にこの本、発行当時に現存していた旅館・ホテルを中心に紹介しています。
なので、文豪いきつけの温泉に行きたくなったら、ガイドとしても利用できます。

文豪聖地巡礼の目的地探しに使える本です。

おすすめしたい人・合わないかもしれない人

この本を特におすすめしたいのは、「文豪のレアな写真が見たいかた・作家と温泉の繋がりを知りたいかた」です。

逆に、「おっさんのヌードなんて見たくない…」というかたにはおすすめしません。

まとめ

作家と温泉・書影(版元ドットコムの書影を利用)

2011年1月に発売された草彅洋平さん編集の「作家と温泉 お湯から生まれた27の文学」は、温泉好き編者が自分のテリトリーを生かしつつまとめた文豪本です。
文豪の普段見ることのできない姿が見たいかた、いかがでしょうか。

作家と温泉 お湯から生まれた27の文学(河出書房新社)

ここまで読んでいただきありがとうございました

文豪・文学についての本をさらに知りたいかたはこちらのページ

カタログ/レビュー | マルノート

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