瓜実顔の意味と由来。うりざね顔はしもぶくれでは無かった!

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○○さんって古風な「うりざね顔」ですね!

う、うりざね顔………??

「おかめ」のしもぶくれを想像して泣く少女
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瓜実顔の読み方・意味・英語での言い方

瓜実顔」は「うりざねがお」と読みます。
意味は、色白で、鼻筋が通り、やや面長の卵型の輪郭の美しい顔立ちのことです。
(色白・中高なかだか・面長、と言います)
女性に対して使われることが多い言葉ですが、男性にも使えます

瓜実顔はしもぶくれ顔ではない

現代では冒頭のイラストのようにしもぶくれの顔と勘違いしているかたが多いです。
これは「瓜実顔」の「瓜実」から瓜の実を連想しているからだと思います。

「瓜実」は瓜の実ではなくて、瓜の種のことです。
瓜の種と言われてもわかりにくいかと思いますが、ウリ科のメロンの種を思い浮かべてください。
ちょっと細長い楕円で、真ん中がふっくらとしています。
瓜実顔はそこから連想された顔です。

メロンの種

なので輪郭としては少し面長の卵型英語で言えばOval Face(楕円形の顔)になります。

江戸時代の「瓜実顔」と浮世絵

江戸時代のことわざで「一瓜実に二丸顔」(いちうりざねに にまるがお)というのがあります。
これは女性の顔立ちのランクを表すことわざで、やや面長の卵型といえる瓜実が一番優れていて、二番目には丸顔がいい、という意味です。
その後「三平顔に四長顔、五まで下がった馬面顔」と続きますが、このことから江戸時代の美人画が、「瓜実顔」の参考になることがわかると思います。

喜多川歌麿の描いた、「寛政三美人」の一人、難波屋おきたの美人画です。

鏡を覗き込む女性の浮世絵『姿見七人化粧 難波屋おきた』
http://www.metmuseum.org/art/collection/
喜多川歌麿『姿見七人化粧 難波屋おきた』メトロポリタン美術館コレクション

しもぶくれではありません目はすっとして口は小さめの作り。「着物の似合う上品な美人」という感じだと思います。この雰囲気が瓜実顔です。

「瓜実顔」が使われている小説・文学

夏目漱石の『夢十夜』の第一夜があります。

こんな夢を見た。
腕組をして枕元にすわっていると、仰向あおむきに寝た女が、静かな声でもう死にますと云う。女は長い髪を枕に敷いて、輪郭りんかくやわらかな瓜実うりざねがおをその中に横たえている。真白な頬の底に温かい血の色がほどよく差して、くちびるの色は無論赤い。とうてい死にそうには見えない。しかし女は静かな声で、もう死にますと判然はっきり云った。夏目漱石『夢十夜』

ここでは透き通る肌で着物が似合い、そして控えめなのに意外と意志が強い和風美女を存分に想像してください。

まとめ

この記事では、瓜実顔(うりざね顔)について解説しました。

瓜実顔」(うりざねがお)は、やや面長の卵型で鼻筋の通った色白の上品な顔立ちのことです。
しもぶくれを想像するのは間違いです。

瓜実顔は誉め言葉ですが、現代ではしもぶくれと勘違いする人が多い言葉です。
なのでこの言葉を使って人を褒める時は、間違いなく誉め言葉と受け取ってもらえるよう捕捉をするなど、注意が必要です。

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